ウイルスゲーム
始まり
ある日,真っ青で雲ひとつない空を真ん中に"菌。"とだけ書かれた白い飛行船がぽかんと風に流されるように浮いていた。
街の人々は"何だ,あれ??" "何かの宣伝かしら??"などと口々に言った。
人々のざわめきを遮るように一本のアナウンスが飛行船から響いた。
ピーンポーンパーンポーンー…
「今から第一回ウイルスゲームを開始します。」
空高く飛ぶ飛行船からのアナウンスはあまりに突然で,人々は意味が理解できずに飛行船ただ見つめていた。