天然姫様と秘密の王子様




フーとロウソクの火を消す



電気を付けてみると、ケーキの形がぎこちないのが分かった




もしかして…



「これ、手作り?」



「そうだよっ、前から準備してたんだから!」



「…ありがとう」





こんな嬉しい誕生日は久しぶりだ


親はいつも忙しいから


ケーキを食べるだけ



家族揃って、食べたことなんて一度もなかった




俺は嬉しくて、遥早を抱きしめる


ホントに、ありがとうだよ



そんな気持ちを込めて、強く抱きしめた




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