You Love...
2月、休み時間。




「ちょ、返してよっ!」




「やーだねっ」




あたし海本優樹は、12歳の小学6年生。
目が悪くてメガネです。




ついでに言わせてもらえば、
今筆箱を取られた。
恋もしてたり。





恋の相手は、隣の席の白川竜斗、同い年。
ついでに言わせてもらえば、
今あたしの筆箱を取った張本人。





背が低めのあたしは、そんなに背が高くない竜斗が上に上げた筆箱を取れない。





「返してっ、てばっ!」





あたしは何度も何度もジャンプしてみるけど、やっぱり届かない。





そのうちあたしはジャンプすることに疲れてきて、「もうっ」って言いながら席に座った。





そしたら竜斗は、「仕方ねーな」って言ってあたしの机の上に筆箱を置く。
仕方ねーな、って、自分がしたくせに。





でも、こんなやりとりが毎日の楽しみだったりする。運良く竜斗の隣の席になれてよか
った、と思う。


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