You Love...
「帰ろう、優樹!」





HR終了後、そう言ってあたしの席まで走ってきたのは、山口愛子。





愛子はいつもあたしにくっついてくる。





正直言って、あんまり好きじゃない。





それに、今このクラスでちょっとハズされてる感じ。





だからあんまり一緒には帰りたくなかったけど、方向が一緒だし結局断っても
ついて来るからしぶしぶ「いーよ」と言った。







学校から家までは、徒歩5分。





その5分ですら、面倒くさいと感じるようになってきた。





べし、と音がして、あたしの頭には痛みが走った。





何だろう、と思いながら振り返るとそこには嫌な笑顔の竜斗。





「なっ・・!竜斗ぉ!!」





その声を合図にしたかのように、竜斗は走り出す。





あたしは竜斗を追いかけるために、走り出す。





愛子は、あきれた顔で走ってくる。





竜斗を追いかけるため、て言っても足が早くないあたしは追いつくことなんてできない。

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