You Love...
3月、卒業式も近づいてきた。





学校からの帰り道、愛子に、





「竜斗に告んないの?」





と言われた。







今でこそあたしは愛子を嫌っているけど、





前はすっごい仲がよかった。





だから、好きな人も教えてた。







「告るわけないじゃん。勇気ないし。」





正直な気持ちだった。





今、仲が良いからこそあの関係を崩したくない。





中学生になっても、あの関係でいたかった。







「ふぅん。・・・ねぇ、優樹。」





「ん?」





いつになく真剣な愛子の声。







「・・・あたし、引っ越すんだ。」






「・・・え?」





中学が別になるとは聞いていた。





けど、引っ越すなんて聞いてない。





「大丈夫、県外に行くわけじゃないから。」





あたしの驚きが予想以上に大きかったのか、





愛子は少し慌てて言った。





別に、悲しいわけじゃない。





だって、愛子のことは嫌いだったから。





何となく、空しいだけ。



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