君の隣に~ヤンキーの娘の恋物語~
そして、岩崎くんを意識していたが、部活が始まってしまえばそんなことは忘れてしまって、一生懸命プレイした。
そしてあっというまに部活も終わり、帰る支度をしている時だった。
「由姫ーっ!」
向こう側のコートから、誰かがやってくる声がした。
声のほうに視線をやると、駆け足でこちらにくる三崎くんの姿があった。
三崎くんといえば、この前のコンビニでしゃべった人だ。
三崎くんはフレンドリーなので、初めて喋ったその日にすごく打ち解けられた。
名前も、気軽に呼び捨てで呼んでくれるからありがたい。
正直、「由姫ちゃん」とか、なんかむず痒かったりする。
「どうしたん?」
「ちょっと聞きたいことあるから、昇降口あたりで待っててくんない?」
「あー…」
ちらっと志歩を見ると、理解したのか先に帰ってるよ、と言った。
そして、先に支度が終わったうちは、昇降口の段に腰をおろし三崎くんを待った。