君の隣に~ヤンキーの娘の恋物語~
さっきまで笑ってた将也じゃない。
すごくすごく、真剣な表情。
その顔がかっこいいなんて死んでも言えない。
「何?」
煩い心臓を押さえつけて、声を絞り出す。
少し震えたかもしれない。
「お前、今誰と付き合ってんの?」
「えっ…」
予想もしてなかった質問に言葉が詰まった。
「他中のやつと。てかあんた知ってるでしょ。」
「お前の口から聞きたかった。」
それから将也は変わらぬ表情でそっか、と言った。
そして、次の言葉に驚いた。
「もう一回、俺の女にならねえ?」
私はもう、とっくに将也に惹かれていたのかもしれない。
いや、もしかしたら、あの時からずっと私は―――――……