ずっと 一緒に [短編]
私は病室へ戻り





タケルの手を




握った





あの日





公園に向かう途中





握り返すことのできなかった





タケルの手を・・・





タケル・・・





ごめんね





気づいてあげられなくて





一人で孤独を背負い





苦しんでいたこと





『助けて・・・』











泣き叫ぶあの子は





幼いころの





タケルそのものだったんだね





そんなタケルの手を振り払い





闇へ突き落とそうとした





私を許してほしい





タケルの過去・・・





タケルの口から教えてほしかった





こんなことになる前に・・・





そしたら少しは大きく





包みこめてたのにって思う





今さらだけど





タケルは





今この時も





ぼんやりとした形のない恐怖に





怯え続けているのかな・・・?





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