蒼い太陽
仮に人であったととしても、魔物がなつくなど闇族に決まっている。


その場で始末するよりも、一度捕らえてこの城へ連れて行き、魔物達が急に強力化した理由を聞き出そうと思った。


魔術師は捕らえようとしたが、相手の起こした風によって地上まで吹き飛ばされてしまったのだという。

その時に、相手は自分よりもはるかに上回る魔力の持ち主ということがわかり、一度城へ戻り、レガート達の意見を聞こうと思ったのだと言う。


「森の中に人…?」


レガートは少し驚いたように言った。


「闇族でしょうね。人型の魔物なんて聞いたこともないもの。


でも変よね、何でそんな所にいたのかしら。


闇族の国は東のクエントでしょう?敵である太陽族の国にいるなんて…それも一人で。


自殺行為だわ。その人の気配で闇族かわからなかったの?」


「はい…何故か、何の気配もしませんでした。」


魔術師はその時の様子を回想しているようだ。


魔術師を見ながら、レガートは小さくため息をついた。
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