蒼い太陽
ふうっとため息をついてレガートは言った。


「なぜ月族は滅びなければならなかったのか…わからぬことばかりだ。


何か知っていることはあるかい?」


「あの時私はまだ幼くて、何が起こっているのかなんて理解出来ませんでした。

記憶にあるのは、誰もいなくなった街の風景だけなんです。


私はずっとキリトで祖母と暮らしていましたが、その日は祖母について森へ薬草を摘みに行っていたんです。


街へ戻ると、昨日まで普通に暮らしていた街の皆が、まるで最初からそこに存在していなかったかのように忽然と姿を消していました。


祖母は…消されたのだと言っていました。」


< 127 / 352 >

この作品をシェア

pagetop