蒼い太陽
レガートの言葉は途中から聞こえなかった。


じわっと目頭が熱くなり、フィリシアは混乱した。


この感情が、寂しいだったのだ…ずっと、感じないようにしてきた、感情。


ハラッと頬に雫が落ちる。

この数年間、一度も泣いてなどいなかったフィリシアはここに来て、ようやく涙を流すことができた。


ツキツキと痛む心…泣いていたのだ。


やっと…思い出したこの感情。


涙は止まらず、流れ続けた。


レガートはそんなフィリシアを優しく見守っていた。


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