蒼い太陽
自然とアヤトの腕に力が入り、フィリシアの掌にはさらに剣が食い込む。


「っ違う!!!」


ぶんっと大きく首を左右にふる。


フィリシアの瞳からは涙が溢れた。


「みんな………皆、―――っ消されたんだ……月族の、族宝だけが…一族を消すことができる………」


泣いているせいで、上手く話すことが出来ない。


でも、アヤトには聞こえたようだった。


「な…に…?」


アヤトは小さくそう漏らすと、金色の瞳が混乱したように揺れた。


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