蒼い太陽
「―っ、あの時…きっと皆は太陽族を助けようとしたよ?でも、その前に消されたんだ。


月族の皆、リアスにいた皆が…裏切ったんじゃない。

出来なかったんだ…あの時すでに、月族は滅亡していたんだ……」


フィリシアは右手を下ろし、アヤトも剣をふっと消し去った。


辺りには再び静寂が訪れる。


フィリシアの右手からは、血が止まることなく滴り落ちていた。


ズキズキとした痛みとともに、ジンジンと熱を帯びている。


フィリシアの脳裏に、幼い頃見た荒廃した村が蘇る。

誰もいなくなった、村の光景が蘇る。


あの時感じた、虚無感が戻ってくる。


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