蒼い太陽
「やっと真剣に任務に取り掛かる気になったのか?」

にやっと、男が笑うのが感じられた。


「最近は、正直ためらっていたのだろう?何故かは…あえて聞かないが。」


ふっと、男が鼻で笑う。


「!」


少女は、笑いを止めた。


まさか、見透かされていたとは思いもよらなかった。

「まぁ良い。月の力を抑えることが出来るのならばそれで良いからな。お前に頼まれた事は既に実行に移している。


後はお前次第だ。」


それだけ言うと、闇から男の気配が消えた。


残ったのは、少女の気配だけ。


「すべては…計画通り。欲しいものは、必ず手に入れるわ。


…私が忠誠を誓うのは、ただ一人、あなた様だけ…」

そう言って少女はにいっと笑みを浮かべた。


「━━━━━━ゼオ様。」


二人のやりとりを見ていたのは、大きな金色の瞳だけだった。


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