蒼い太陽
つうっと頬に誰かの指が這うような感触が走り、ハッとしてフィリシアは目を覚ました。


どくん、どくんと心臓が大きく跳ねている。


全身に汗をびっしょりとかいていた。


嫌な感覚がフィリシアの身体を駆け巡る。


ゆっくりと起き上がると部屋は真っ暗だった。


倒れてからずっと眠っていたのだろう。


いまだに動悸が続いている。


とても嫌な気を…感じた。

すっと目を閉じ、意識を集中させる。


これは一体………


これは━━━━……


「闇族…!?」


はっと、再び瞼を開く。


心臓がより一層どくんっと跳ねあがる。


フィリシアの部屋に、かすかに闇族の残り香を感じたのだ。


ゆっくりと、ベッドから抜け出す。


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