蒼い太陽
「!?」


突然のことに驚く。


「魔力が…?」


呆然と、自身の両手をじっと見下ろす。


再びぐっと、両手に魔力を集中させようとする。


しかし、かすかに光を放ったかと思えばすぐに魔力は散り去ってしまった。


「どうして…?」


魔力が思うように使えない…?


フィリシアは思わずカクンッと膝を折って地面に座り込む。


ふと、天井を高く見上げると普段は雲の上を映し出していたはずの天井には暗黒の雲が映し出されていた。

フィリシアは、震える両腕を天井高く掲げた。


魔力を……


魔力を…!


フィリシアの身体は月の魔力を渇望していた。


天井に見えていた暗黒の雲はやがて風に流され、隠れていた月が姿を現す。


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