蒼い太陽
それは、胸が締め付けられるような辛い痛み。


「私からアヤトを奪ったら……許さない。」


ぐっと、ミシャの声が低くなりフィリシアははっとした。


バチっと、ミシャの両手に雷がこめられる。


その雷は、ミシャの手を通してフィリシアの全身を駆け巡った。


バチバチと激しい音が響く。


「━っ!?あっ…」


気が遠くなるほどの電流がフィリシアを苦しめる。


フィリシアには抵抗する体力は残されていなかった。

「…ふん。」


ミシャはぐっとフィリシアを持ち上げ、そのまま後方へ突き飛ばした。


「かはっ」


背中からどすんと着地したフィリシアは息が出来なくなり苦痛に耐える。


「あなたが悪いのよ。いきなり現れて、私からアヤトを奪おうとするから。


月も闇に飲まれた。


月がないと、あなたは魔力を補充できない。


そのまま、あなたはどんどん力をなくしていくのね。

もっともっと、苦しむと良いわ。」


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