蒼い太陽
それでも。捕まる訳にはいかない。


フィリシアは重い身体を懸命に動かし、攻撃をかわしていった。


「ちっ、しぶとい奴だ。さすがは月族…簡単にはいかぬか。」

中年の剣士が悔しそうに悪態をついた。


一方、フィリシアにもだんだん限界が近づいていた。


目の前が徐々にかすんでくる。

――気を失う訳にはいかない!

そう思った瞬間、鋭い剣先がフィリシアに向かってきた。


かわそうとしてフィリシアは空中に高く飛び上がり、それをかわした。


剣士達の群れから少し離れた所へ着地する。


トン、と着地した瞬間、フィリシアの視界は大きく歪んだ。


その瞬間を、剣士達は見逃さなかった――…
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