蒼い太陽
そんなフィリシアを見て、アヤトは眉間に皺をよせ切なそうな表情を見せた。


「し、しかしアヤト様!!」


中年の剣士がそのまま立ち去ろうとしたアヤトを引き止める。

「…何だ。」


顔だけ振り向き、面倒くさそうに剣士を睨んだ。


「ひっ、な、何でもありません!失礼しました!」


バタバタと剣士たちはリトを除き小走りで逃げていった。


「アヤト様、失礼します!」


リトはえくぼを見せながらにっこりと笑って深くお辞儀をした。


「あぁ、ゆっくり休めな。」


アヤトもかすかに笑いながら、リトを見送った。


「…ふぅ。」



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