蒼い太陽
ミシャはそこで言葉を止めた。

そしてかすかに視線を下に落とし、何かを考えるようにうつむく。


「それより、このまま動き回る訳にはいかないから、何か拭くものと着替えを持ってきてくれないか?


俺の部屋の魔法、解いておくから何か適当に持ってきて。」


「えぇ、わかったわ。すぐ持ってくるから待っててね。」


ミシャはそう言うと、パタパタと足音を立てながら走っていった。


「…変革か。」


アヤトは先程の族宝との会話を思い出す。


まさか族宝に意志があるとは思ってもみなかった。


変革とは何のことを指しているのだろう?


何かが、変わろうとしているのだろうか…。


「はぁ…」


考えても考えても答えの出ない問題に、思わず大きなため息が出る。


とん、と壁に背をつき、そのままずるずると壁を伝って床に座り込む。


アヤトの周りには大きな水溜まりが広がった。


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