蒼い太陽
ふわっと、頭にタオルが置かれるとともに、アヤトは顔を上げる。


「あぁ、何でもない。タオルありがとう。」


ミシャは不思議そうな顔をしてアヤトを見ている。


アヤトは立ち上がり、タオルで髪をガシガシと拭いた。


急に立ち上がったため、キュイキュイがころんっと床に転がり落ちる。


恨めしそうにアヤトを見つめていた。


｢その水、水盆のって言ってたけど、泉の間で何かあったの？」


「俺にもよくわからない。泉の間に入った途端、水が騒ぎ出したんだ。」


アヤトはそう言って今度は上の服を脱ぎ捨てた。


水をたっぷりと含んだアヤトの服は、バシャリと重たそうに床に落ちる。


「あら？その子って…痛っ！」

ミシャが床に転がるキュイキュイに気がつき、手を伸ばしたがキュイキュイはその手を逃れ脱兎の如く走り去っていった。


「大丈夫か？」


アヤトがミシャの手を見やる。

指を引っかかれたようだ


赤い血が流れている。


「大丈夫、すぐ治るわ。にしても…何なのよあの子…」


ブツブツとミシャは不満を漏らしていた。


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