蒼い太陽
「リリ様が言ってたように…動き出すのかもね。」


ミシャは少しだけ口角を上げ、笑う。


「…」


アヤトはふと、ミシャを見た。

ミシャの気配…いつもの、太陽族の気配だ。


けれど、何か今、ほんの一瞬だけ、ミシャの気配が淀んだ気がした。


ほんの、ほんの一瞬だけ…。


「どうかした?」


アヤトが動きをピタリと止めているものだから、ミシャが気になり話しかける。


「なんでもない。」


なんだか今日は変な日だ。


随分色々なことが起こる。


「どこ行くの?」


立ち去ろうとしたアヤトをミシャが引き止める。


「どこって…戻るんだよ。フィリシアも戻ってきてるかもしれないだろ?」


アヤトはミシャに背を向け、歩き出す。


「フィリシアの所に…行くの?」


ミシャの声が急に冷たいものとなる。



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