蒼い太陽
「ミシャ?」


ミシャが気になり、後ろを振り向く。


振り向きざま、ミシャが自分のすぐ後ろまで来ていたことに気づいた。


ミシャはぐいっとアヤトの腕を引き、強引に振り向かせた。


「!」


「ねぇ?どうしてフィリシアが闇族に関係ないと、言い切れるの?」


ミシャは笑っている。


しかしそれは、とても冷たい笑顔だった。


まるで凍っているような、冷たい瞳をしている。


思わずゾクッとしてしまうような、冷たい笑顔…


「ミシャはフィリシアが闇族と関係あると思うのか?」


「だって、よく考えてみてよ。あの子が来てから、闇の長が城に侵入してきたり、魔物が現れたりするようになったわ。


今までこんなこと無かったじゃない!」


ミシャの声に、力が入る。


真剣な顔で、アヤトに詰め寄る。


「それはそうかも知れないけど、フィリシアは闇族と関係ないよ。

さっきレガート様も言ってただろ。フィリシアが魔法を使えるわけは無いんだって。」


目の前にいるミシャに、アヤトは何故か嫌な予感が募る。


それは止まることを知らずにどんどんと膨らんでいく。


< 290 / 352 >

この作品をシェア

pagetop