蒼い太陽
「ずっと、ずっと、アヤトだけを見てきたのに。ずっと、アヤトだけが好きだったのに。


アヤトはどうして私を見てくれないの?ずっと一緒だったじゃない。小さい時からずっと…どうして…っ」


ミシャはついにしゃくりあげてしまった。


両手で顔を押さえてうつむき、涙を流している。


「ミシャ、俺は…――!?」


アヤトがミシャに近づき、そっと手をミシャの肩に伸ばした瞬間、背筋に冷たいものが流れるような感覚に陥った。


ミシャが、鋭い瞳でアヤトを睨みつけていたからだ。


ミシャの…いつもの碧の瞳ではない、血のような、禍々しいほどの深紅の瞳がアヤトを射抜いていた。


「なっ…!」


目の前にいるミシャの変化に戦慄が走る。


ミシャはアヤトの動揺を悟ったかのようにふっと軽く笑うと、アヤトめがけて雷を放った。


あまりにも近距離であったため、アヤトは十分にかわすことができず、ミシャの攻撃をまともに受けてしまった。


「―――っ!?ミ…シャ…っ!」


< 292 / 352 >

この作品をシェア

pagetop