蒼い太陽
「―――っ!ミシャ!!」
悠々と絵画を眺めているミシャに警戒心を高めながらもどう対応すべきか悩んでいた時、鋭い怒鳴り声にも似た声を上げながら、アヤトが息を大きく切らし部屋の中に入ってきた。
「アヤト!」
思わずフィリシアが叫ぶ。
そんなフィリシアに気がつくと、アヤトはフィリシア達の方へと走ってきた。
「アヤト、どうしてこんな事になってるんだ?」
ユウがアヤトに尋ねる。
「ミシャが闇族だなんて信じられないけど…見たとおり、これが真実だ。
中庭でわざと闇の気配を振り撒き、フィリシアを闇族として始末させるつもりだったんだろう。」
アヤトが息を整えながら説明した。
「始末だなんて、大袈裟だわ。私はただフィリシアがアヤトから離れてくれればそれで良かったんだもの。…あの時はね。」
ミシャが口を挟んだ。
「今度は何をするつもり?」
フィリシアは無意識に胸のペンダントを握りしめ、ミシャを睨んだ。
その時、バタバタと大勢のヒトが走ってくる足音が聞こえた。
その足音は徐々に大きくなり、闇の気配を追ってきた剣士が魔術師達はついにフィリシア達のいる部屋に突入してきた。
「っ!なっ!!ミシャ様!?」
剣士達が大きく息を呑む様子がわかった。