蒼い太陽
控えていた剣士たちははっとして、一斉に武器を構えながらミシャに向かって駆け出した。


「やめろ！サダ！！」


咄嗟にそう叫ぶアヤトの声は、ドォン！という轟音によってかき消された。


一瞬だった。


フィリシアはそれを見ていることしか出来なかった。


剣士たちが駆け出したその時、ミシャは黒い雷を両手で操り、剣士たちに放ったのだ。


あまりに素早いその攻撃に誰も交わすことが出来なくまともに攻撃を受けてしまった。


ミシャの雷はバチバチと鋭い音を立てながら床を大きくえぐり壁を破壊し人々を吹き飛ばし、辺りは瓦礫と粉塵の舞う混沌とした空間へと、一瞬にしてその姿を変えた。


瓦礫はさらにフィリシア達の元へと飛んできた。


フィリシアは咄嗟に両手に魔力を集中させ、強い風を起こし瓦礫からみんなを守ろうとした…が寸前でユウがフィリシアの腕をつかみそれを阻止したため、フィリシアの風はさあっと解け去ってしまった。


「魔力を使うな！」


ユウはそう叫ぶと同時に、魔法で炎の防護壁を作り瓦礫からみんなを守った。


瓦礫が防護壁に当たる、バアンｯ！！という音が身体を振動させる。


アヤトも魔法で剣を取り出し、戦いに備えていた。


次第にパラパラと瓦礫の立てる音が小さくなってくると同時に、舞い上がって視界を遮っていた粉塵も晴れてきた。


その先に見えてしまった光景は、あまりにも残酷なものだった―――――……。



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