蒼い太陽
「っやだぁ!!」


ダリアが悲しみを堪えきらずに悲痛な叫びをあげた。


アヤトもユウも辛そうにうつむき、顔を歪めている。


アヤトの手には、今までそこにいたはずのミシャの手の温もりがまだ残っていた。


アヤトはその温もりを逃がすまいと、強くギュッと拳を握った。


フィリシアは静かに涙を流し続けた。


今まで自分の腕の中にあった温もりが突然消えてしまった……

信じたくなかった。


上空に舞い上がっていくミシャの光を仰ぎ見る。


……こんな悲しい思いは初めてだった。


自分の目の前で消えてく命を見るのは……初めてだった。







《フィリシア……、ありがとう》





金色の光に包まれる中、ふわりとミシャの声が優しく響いた。

それはフィリシアの心に深く深く染み渡る。


瞳をそっと閉じたとき、フィリシアの頬に大粒の涙がはたりと落ちていった。





――――――――…






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