蒼い太陽
「ミシャは、最後まで太陽族でいてくれたんだ。」


はっきりと、アヤトはそう言った。


「フィリシア、俺はクエントにいく。」


フィリシアははっと目を開き、アヤトの腕から離れた。


アヤトの真剣な瞳と向き合う。

……本気だ。


「ミシャが最後に残してくれたあの扉。

ゼオて決着をつける時が来たんだ。

ミシャの想いを、無駄にしたくない。」


そう言うと、アヤトは魔法で剣を取り出した。


白く鋭いアヤトの魔法剣は、眩いほどの金色の光で満ちていた。


キラキラとした金色の光から、太陽族の魔力が滲み出ている。

「これ、まさか…」


「あぁ、太陽族の族宝だ。さっき………発動したんだ。レガート様から、正式に譲り受けた。」


「星族の次は太陽族……」


まるで、本当に闇の長との決着の時が近づいているようだ。


次々と族宝が発動するなんて、一体どうなってしまうのだろう。


そんなフィリシアの不安そうな顔をわかってか、アヤトが言った。


「族宝が言ってたんだ。…変革の時が近づいているって。」


「族宝が言った…?変革…?」

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