蒼い太陽
一体、どういう事なのだろう…?
「変革が何を意味するのかは俺にもわからない…それをはっきりさせるためにも、俺は闇族と戦わなくてはならないんだ。」
アヤトの決意は、アヤト特有のギスギスとした気配を通じてフィリシアにも痛い程伝わってきた。
「………私も行くよ。」
フィリシアは驚くように息を呑んだアヤトを真っ直ぐに見つめた。
「ッダメだ。」
わずかに顔をしかめ、フィリシアから目を背けた。
「どうして?私は最後の月族だよ?私には族宝を取り戻す使命がある。」
「族宝なら、俺が取り返してくるから、だから…」
「ここにいてただ黙って見ていろって…?」
フィリシアがアヤトの言葉を続ける。
アヤトは息を詰まらせ、フィリシアに視線を戻した。
「そんなの出来ない…っ!月族は闇族に滅ぼされた!このまま、私達のように太陽族や星族のヒトが闇に傷つけられていくのを、ただ見ているなんて出来ない!
…アヤトが戦っているのに、何もしないでいるなんて耐えられない…もし、もし…アヤトに何かあったら私は…ッ!」
フィリシアの言葉はそこで途切れた。
唇に、暖かいものが触れたからだ。
突然の事に頭が上手く働かなく、それがアヤトの唇と分かるまで少し時間が必要だった。
フィリシアが呆然としていると、アヤトはそっとフィリシアから離れ、優しく抱き寄せた。