蒼い太陽
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太陽族の城に来てから、初めて夢も見ること無くフィリシアは眠っていた。
深く、深く、月水晶によって補充されていた魔力をなるべく消耗する事のないように、フィリシアの身体がそうさせているのだろう。
そして、それはこれから直面するであろうあまりにも過酷な戦いに向けての、最後の…安らぎとも言える眠りだった。
あれからどれほど眠ったのだろう。
目が覚めたフィリシアの身体はすっきりと軽かった。
「あれ…キュイキュイ?」
そばにいたはずのキュイキュイはいつも間にかいなくなっていた。
キュイキュイの姿が見当たらなくなる事は初めてではないし、フィリシアは多少の寂しさを感じつつも普段はあまり気にしていなかった。
しかし、今回はどれほど此処を離れる事になるかわからない。
そのためキュイキュイにはしっかりと留守を頼んでおくつもりだったのだ。
「…仕方ないな。」
フィリシアはそう呟くと、身支度を整え部屋を後にした。
目指すは中庭、そして…闇の国、クエントだ。