蒼い太陽
「フィリシア」
「…はい。」
何を言われるのだろう…わずかな緊張が、フィリシアの身体を巡る。
「どうか…救ってやって欲しい。」
そっと呟かれたレガートの言葉は小さく、か細く、フィリシアの耳には届かない。
「?何ですか?」
「いや、なんでもない。」
レガートはそう言って誤魔化すようににこりと笑った。
「?」
なんと言ったらよいか分からず、何を話すかも決めないまま、フィリシアが再び口を開こうとした所で、アヤトが姿を現した。
「おはようございます、レガート様。」
「あぁ、おはよう。」
レガートがそうアヤトに返す。
アヤトはレガートとフィリシアの間に流れるどことなく微妙な雰囲気を敏感に感じとり、かすかに首を傾げる。
「おはよう、アヤト。」
昨日…アヤトの胸で泣き喚いたことを思いだすとなんだか気恥ずかしかった。
「おはよ。」
にこりと笑うアヤトは、太陽の光に満ちているようでいつものギスギスとしたオーラの中に温かな雰囲気を併せ持っていた。
「レガート様、あの…」
ふいに、アヤトが遠慮がちにレガートに話しかけた。
「なんだい?」
「あの…俺じゃ説得、出来なくて…」