蒼い太陽
あまりにも強い風で、地は大きく揺れていた。


それは地を勇敢を伝わり、太陽族の城内へも伝わっていた。


「…嫌な揺れだわ。」


中庭で四人の旅立った扉を見つめていたリリが、小さくそう言った。


「あぁ、中でなにが起こっているのか…」


レガートも心配そうに扉を見つめる。


その時――。


「扉が!!」


リリが信じられないという顔で叫び声をあげた。


振動のためか、ミシャの創った扉が消え散っていく。


「どうして、レガートっ!!」

「まさか、扉は役目を終えたということか!?」


「そんな!だってあの子達は闇国へ行ったきりだというのに!っダリア!」


リリは思わず扉へ駆け寄る。


それを、レガートは引き止めた。


「ダメだ!危険すぎる。空間の狭間に落ちるぞ!」


リリは目に大きな雫をこめながらレガートを見つめる。


その間にも、扉は光を失い、どんどん消えていく。


空間もまた、閉鎖していこうとしていた。


「これでは、あの子達は戻ってこれないわ!闇の中心部から自力で戻ってくるなんて無理よ!」


泣きながらリリは悲痛な叫び声をあげる。


レガートも心が貫かれるような思いだった。


「大丈夫、あの子達を信じよう…」


レガートは優しく、リリを抱きしめた。


「どうか、皆無事に戻ってこれますように…」


そうして、扉も空間の裂け目も、完全に消滅した―――――








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