蒼い太陽
炎と風がぶつかり合い、激しい爆音が地下空間に響き渡る。


フィリシアは息が切れていた。

肩で大きく息をする。


頭がくらくらする……こんなに魔力を使ったのは久々だ。


身体がすっかりなまっていたようだった。


昨日とは比べようもない程の疲労感が全身を襲う。


今、倒れるわけにはいかない。

誰にも捕まってはいけないのに…ふと、自分の腕にあるリングをみる。


それは華奢なフィリシアの二の腕にたいしてずっしりとした存在感があり、妖艶な光沢を放っている。


フィリシアは頭を振って視線を背けた。


そんなことをしている間に再び炎が襲ってきた。


どうにか避けることが出来たが、もう体力の限界であった。


目の前が霞んでら二人の姿がだんだんと見えなくなってくる。


フィリシアはゆっくりと腕を挙げ、できる限りの強い風を起こし、最後の抵抗を見せる。




そして、意識を手放した―――


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