蒼い太陽
アヤトが前に進むと、がやがやしていた場は一瞬にして静けさを取り戻した。

空気がはりつめた様な、心なしか空気が冷えたようにも感じられる。


ツンツンとした茶髪に金色の瞳。


様々な色の髪や瞳が存在する中で、決して目立つ、という訳ではないが、その綺麗な顔立ちとアヤトの持つギスギスとした独特の気配は一気に周囲を取り巻く。


アヤトが足を進めると、その場にいた者は次々と道を開けた。


やがて一人の剣士の前で立ち止まる。


さらさらした髪が特徴的な剣士だった。


｢リト、お疲れ様。疲れた？｣


リトはアヤトが昔から弟のように可愛がっている剣士だ。


笑うと頬に出来るえくぼが特に可愛らしい。


｢いえ、あの程度の魔物でしたら大丈夫です。アヤト様やレガート様、ユウ様にはこの城を守るという重要な使命がありますから、僕たちだけで十分ですよ。｣

リトはにこっと笑って言った。


頬に出来たえくぼにつられてアヤトもにっと笑った。

｢それじゃあ、私はどうなの？｣


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