蒼い太陽
「結界の境界に現れた魔物は全て始末しました。」


一人の魔術師がそう話始めた。 黒々と焼けた肌の、逞しい体つきの男だ。


「そうか…外の様子はどうであった?」


「変わりありません。境界の外は魔物で溢れかえっています。ものすごい勢いで増殖し、力も強大になりつつあります。」


「そうか……やはりそれだけ、闇族の力が大きくなっているのだな……」


隣で聞いていたアヤトはレガートの疲れたような声に気が付いた。


レガートはすでに何百年も生きているこの、太陽族の長だ。


何百年も生きているというのに、見た目は30、40代と言うところだろうか。

耳の下で一つに結った髪こそ白髪だか、つやのある美しい髪をしている。


城を守る結界はアヤトやユウ、ミシャが三人で維持しているが、魔物によって結界が攻撃されるとその衝撃で城を一人で維持するレガートの負担が増えてしまう。


早く……闇をどうにかしないと。


そしてそのためにはアレを発動させないと………でもどうすれば良いのか……
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