蒼い太陽
ふと、湖の中を覗くがよほど深いのか、底は見えなかった。


どこまでも落ちて行けるような気がするその湖は、中庭の中で恐ろしいくらいの大きな存在感を醸し出していた。


ずっと見つめていたフィリシアは、湖に吸い込まれてしまいそうな感覚に陥り、ぞっとした。


「ほら、座って。傷を治すから。」


腕を捕まれビクッとしてしまったが、少女は気にする様子もなく半ば強引に草地へ座らされた。




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