蒼い太陽
「…おばあちゃんが連れてきてくれた。


何故あの場所にたどり着いたのかは解らない。けど、キリトが完全に闇に飲まれる前に私を連れ出してくれたんだ。」


「他の仲間は?助けようとしなかったのか?


闇から逃れたのはお前達だけだ。他の仲間だって助けられたんじゃないのか?

…仲間を見捨てたのか。」

吐き捨てるように放たれたアヤトの言葉にフィリシアは目を見開く。


まさか、このように考えられていたとは思いもしなかった。


何から話せば良いのか…頭の中で整理していると、アヤトが溜め息をついた。


「お前達はそういう種族だ。平気で仲間を見捨てる……」


ぐっと、アヤトが拳を握るのが視界に入った。


何の事を言っているのだろう。


フィリシアが近づこうとすると寄るな!!といっそう声を低くした。


「この城内にいるのはお前の勝手だが、ここにいるヒト達に危害を加えたら…絶対に許さない。」


そう言い残すと、アヤトは去っていった。



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