蒼い太陽
それにしても広い。


ここまで大きく立派な城をあのレガートは一人で支えているのだろうか。


「これじゃ満足に戦えるわけないよね…。」


そっとつぶやいたフィリシアの声は広い空間にのまれていった。


気が付くと、目の前に巨大な扉があった。


金で縁取られた濃紺の扉はとても重そうで、入る者を拒んでいるようにも見てとれた。


この扉はどう開けるのだろう?

鍵穴も無ければ、ほんのわずかの隙間もなく壁と融合している。


そして、とてつもなく強い魔力を感じるのも確かだ。

ここも自分のいる部屋と同様、合言葉が必要なのだろう。


全く読むことの出来ない文字が扉一面にびっしりと書かれている。


扉にそっと触れると、ビリビリとした感覚が指先に走った。


驚いて手を離すが、痺れか残っている。


この部屋は一体なんなのだろう…少し怖くなったフィリシアはその場を後にした。



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