first love...
「開会の言葉。」
・・・。長く静かな始業式が始まった。
真剣に話を聞いてる人もいれば、
眠そうに、めんどくさそうに聞いている人もいる。
春は、眠そうに聞いている人のうちの1人だった。
こういうまじめな式は、
春はどうも苦手なのだ。
眠そうにというか、
もう・・・。寝ている・・・。
しかも、すごく堂々と寝ている。
何で気づかれないのかわからない。
「ゥ・・・ン・・・。むにゃむにゃ・・・。
もぅ食べられニャィょォ・・・。」
春が寝言でそういうと、
春の回りの人たちは、
いっせいに春のほうを向いた。
「おい・・・。寝てんじゃねぇ?」
「うん。たぶんね・・・。」
「起こしてあげる?」
「おきなかったら?」
ざわざわとした空気に気がついたのか、
先生がこっちに向かってくる。
「おーい。どうした?」
小声で先生が聞いてくる。
皆は急いで起こそうとするが、
やっぱりおきようとしない。
皆があたふたしているうちに、
先生が来てしまった。