最強ミックスフルーツ
「ここはあなたたちの
おとうさまのお部屋でしたの。
浩一さまは、穏やかで聡明で
読書が大好きな立派なおぼっちゃまでした。」



おとうさんの部屋・・・・



おばちゃんは、来地の顔を
覗き込んで


「小さい頃のぼっちゃまに
よく似ている。
あなたは、本が好きなのかしら?」

と言った。


「はい、僕は本が
大好きです。これは
おとうさんが読んだ本なの?」


鬼のような形相だった
おばちゃんは、来地の顔を見て
とろけそうな笑顔に変わった。


「そうですよ、小さい頃から
難しい本を読みたくて
お勉強してました。
あなたもおとうさまのような
男性になってくださいましね。」


「はい。」


来地はすっかり本棚の宝物に夢中だった。
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