最強ミックスフルーツ
騒音にギロっとバイクを睨みつけたら
ヘルメットをとった理輝がいた。


「バ、バイク?理輝の?」


「そ、俺誕生日、めちゃめちゃ早いからな。
ほら、」



水色のヘルメットを差し出した。


「うち、乗ったことないよ。
怖いんでしょ?」



「怖い?チャリンコの早いヤツだよ。」



私が近づくと
ヘルメットをかぶしてくれた。


理輝の顔が近くに見えた。



頬が隠れていて
よかった。
きっと今、私のほっぺは
まさしくリンゴのほっぺだから……



「しっかりつかまってろよ。」



「でも…お願いだから
スピード出さないで……」



「わかってるって。」

理輝の腰をしっかりと
握りしめた。
< 159 / 430 >

この作品をシェア

pagetop