最強ミックスフルーツ
真ん中の道が分かれるように
私の手を引いて理輝が堂々と歩く。


「ちょっと!!」


「マジ?」


「信じらんない~」


「ブスのくせにね~」


そんな声の中、私の頬は真っ赤に燃える。


理輝にもきっと
この非難轟々は聞こえている。


言われるのは全然平気だけど
理輝に聞かれるのは辛かった。


どんどん自信がなくなってしまう。



そのうち私の足が止まった。


「どうした?」


「・・・・聞かないで・・・・」


「何を?」


「私の悪口・・・・・
理輝に聞かれるの恥ずかしい。」


涙で理輝が歪んで見えた。



理輝は、足の止まった私を
抱きしめた。


「林檎のこと…俺が一番わかってるから。
おまえの笑った顔が俺にとって一番だから。」



そんな私たちを
悪意に満ちた目が見ていても


理輝の胸の中で私は
シンデレラになった気持で一杯だった。



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