最強ミックスフルーツ
「リンゴちゃん、なんか元気ないな。」

体育館から教室に戻る廊下で

つよピーが声をかけてくれた。



「なんか疲れちゃった。」
悲しくなって
涙が流れ落ちた。


「どうした?」
つよピーが慌てているけど
もう止まらなかった。


つよピーはただ黙って
私の頭を優しく撫でてくれた。



理輝の前では泣けなかった。


ウザイ私を見せたくなくて
必死に我慢した。
女子からあまされて
情けない私を理輝に見せたくない。


「保健室行くか?」


泣きながらうなずいた。



保健室に先生はいなかった。


「先生来たら、具合悪いって言えば
いいからね。」


うなづきながら
顔を覆った。


「ありがと……つよピー……」
そう言うと
さらに泣けた。
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