最強ミックスフルーツ
しばらくして理輝が戻ってきた。


「先生、俺も具合悪いんだけど
帰っていいですか?」


「え?どこが?」


「先生、お願い。
ちゃんと送るから。
お願い!!」


「下心は先生知らないことにするわ。」


「あんがと、先生!!」


「おとうさんのサイン一枚ね。」


「帰ってきたら書かせるよ。」


「先生のミツコさんへって入れてよ。」


「はい、はい。」


「それからちゃんとおうちに帰してね。」


「了解です。」


理輝は、すっかり先生を丸めこむ。

イケメンは得だ。
私だって理輝みたいな生徒に
こんな風に言われたら
絶対、うんって言っちゃうもん。


「林田さん、送り狼くんが
迎えに来たよ。
彼に慰めてもらいなさい。」

先生は体じゃなくて心がつらいの
わかっていたんだ。


「先生、カウンセラーもしてるから
どうしようもない時は相談してね。」


頭を撫ぜてくれた。
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