最強ミックスフルーツ
部屋に入って行くと
理輝が手当たりしだいにものを
投げまくっていた。


だからこの部屋は汚いんだ


あるはずのない場所に
物がおちてるのは
理輝のやりきれない怒りの
現れだったんだ。


「理輝・・・・」
おそるおそる私は声をかける。



「うるさい。
おまえも春妃とおんなじだ。
俺と一緒にいても俺にわかんねーこと
考えて俺を不安にするんだ。」


「ちょっと待ってよ。」


「愛してたのに・・・・
愛してるって何度も俺に
ささやいたのに・・・
なのにあいつは親父のことを愛してた。
全部ウソだったのか。
俺の腕の中でささやいた言葉も
俺のために書いた唄も
全部偽り・・・
俺を通り越して親父に語ってたんだ。」



理輝は体を震わせて泣きだした。


「春妃・・・春妃・・・」


その悲しい叫びに
私の胸は完全につぶされた。
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