最強ミックスフルーツ
「みちるさんは
私たちの話を何度か聞いて納得してくれた。
私も主人もみちるさんの
潔さにあまりにあっさりしてて
浩一のことを本気じゃなかったんだって
面くらったんだけど…
浩一に何も言わずに
姿を消したの。
浩一は狂ったようにみちるさんを
探し始めた。

『本気じゃなかったのよ。』

何度も言ったけど

『俺はみちるじゃなきゃダメなんだ。』

そう言い残して
浩一は家を出て行った……」


私の目はまた潤んできた。



「みちるさんから連絡をもらって
浩一がみちるさんを追ってきたことを
聞いて迎えに行った。

『どうして連絡したんだ』そう
発狂しまくる浩一に

『あれからいろんな方法で病気を調べた。
しっかりとした治療をしないと
命にかかわるって書いてあった。
私といてもそんな治療を
受けられないでしょう?
あなたがいなくなったら私はどうしたらいいの?』

その時、隣の部屋から
赤ちゃんの泣き声が聞こえた。
私たちは真っ青になった。
浩一が大事そうに抱いてきたのは
林檎ちゃんだった……」



涙がすーっと流れ落ちた。
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