最強ミックスフルーツ
「みちるさんは一人で育てるといったけど
浩一が聞くわけがない。
そのうち反対する私たちと大ゲンカになった。
そんな中、みちるさんを
傷付けてしまう言葉を吐いた
私たちに
『親でも子でもない』
そう言って、それから一切の連絡を
こばんでしまった。」

ババコがハンカチで涙をふいた。


「俺も意地になってしまって・・・
気にはなっていたけれど
ずっと足を運べずにいた。
島に様子を見に行かせて
何度もみちるさんに
金の話をしたけれど
『浩一のプライドを尊重したい』
そう言って頑固に受け取らなかった。
俺達はそんなみちるさんを恨んで
一切の関わりを持たずにいた。」



「おかあさんらしいです。」



「大事な息子が私たちの腕の中から
いなくなってしまった。
みちるさんを恨むしか
この虚しさをぶつけることが
できなかったから・・・・
でも浩一と頻繁に話すことが増えて
浩一はみちるさんに
出会えて幸せだったってことが
わかってきたから……
今は、林檎や桃、来地の存在は宝になったわ。」


ババコが私の手をにぎった。


「みちるさんの分まで
あなたたちを大事にするから……」


嬉しくて涙が流れる・・・・


父と母の真実の愛が
私たちを救ってくれる…
そう思えると心が温かくなった。
< 242 / 430 >

この作品をシェア

pagetop