最強ミックスフルーツ

「林檎・・・・
難しいよね、忘れるって・・・
そこを超えるって・・・・
おまえといるとスゲー楽しいんだ。
何気なく見てきた
あの場所からの街並みも
青い空も草の匂いも・・・
おまえといたら感動できた。
バイクで走る時も後ろで必死に
しがみつく林檎が愛おしくなったけど…
超えることはできない。」



超えることはできない・・・



「目を閉じれば春妃の顔が見えて
俺は春妃の何を見てきたんだって
腹が立つ。
自分のものだと信じ込んでいた
春妃にはほかに愛する男がいて
それが親父なのか
違うやつなのか……
それもわからない……
ただ、あいつの自殺は、俺への
罪悪感もあったんだと思うと
俺は愛する女の命を奪ったような気がして
耐えられないんだ。」



私は理輝の胸を押さえた。



「傷が深いんだね・・・・。
さきにここ治さなきゃ・・・
理輝はこの世界で復活できない。」



「裏切られてたのにバカだろ？」


理輝は悲しく笑った。