最強ミックスフルーツ
徹のサッカーはすごかった。


足の速さはもう長年遊んで競い合ってたから
よく知っていた。

ボールからついていくように
徹の足から離れない。


「うわ、まただ~」
理輝が声をあげる。


「正明すっかりタイミング外されてんな。
なんであのマークの付け方・・・」
ブツブツ言いながら見てる。


徹のゴールはもう4点目。


正明が悔しそうにしていた。


むっちゃんが飛びあがって喜んでいる。
そうやってむっちゃんは
徹を見てきたんだ。

いつもじゃれる私たちを見ながら
どんな気持ちだったんだろう
想像する。
私のまえでじゃれあう理輝と誰かがいたら


私は壊れてしまう。


知らないことは罪だった。


むっちゃんがまた現れた私に
ああいう気持ちも理解できた。
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