最強ミックスフルーツ
周りの目も気にせず
昔に戻って私は徹とリフティングに
興じていた。


「おまえ、ここでやってけるのか?」



「うーーーん、今はここで
祖父にお世話になるしかないから……」



「おまえに都会は似合わない。」



「似合うようになる努力中だよ。」



徹がボールを高く蹴り上げた。

いつものようにそのボールを競い合って
とろうと私は落下地点めがけて
走りだした。


私がそのボールをとろうとジャンプしたら
徹がいつの間にかやってきて
私を抱きしめた。



「ちょ!!ちょっと!!」

徹が落ちてくるボールを手で落とした。


「何も言わないで消えて…
俺がどんなに心配したかわかる?
おまえと過ごすはずだった
高校生活が一瞬にして暗くてつまんないものになった。
あたりまえの存在
いいや、明日言おう・・・
そう思ってた自分に後悔ばかりした。」


「徹ちょっとでも・・・
こんなとこでは・・・・」



「俺は、林檎が好きだ!!!!
文句あっか!!!???」



誰かに向けたようなその大声は……



「おまえがいないとダメなんだ・・・」


小さい声に変わる・・・・。
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